- 丸森しるく -
とりくみ

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とりくみ

「しるくわ」を起ち上げるに至った背景には、
養蚕農家さんや作り手さんたちと出会い、
「丸森しるく」の存在を知るきっかけを与えてくださった
「この地に技ありプロジェクト」http://co-atelier.jp/
の存在があります。

町の伝統産業を守り継いでいる
養蚕農家さんと、それを生かす作り手の皆さん。

同じ素材を扱いながら、横のつながりがほとんどなかった皆さんが、
東北工業大学の大沼研究室を中心に進められていた
「この地に技ありプロジェクト」とのご縁により、
お互いの想いや、悩み・課題などを語り合う場が設けられました。
それが、2017年の5月のことです。

この場に私も参加させていただいたことが、今に至っています。

衰退を続ける伝統産業に寄り添い続けていこうとする時、
「このまま続けていて良いのか」
「必要とされているのか」
「後を継ぐ人がいない、自分の代で終わりだろうか」

心にしまっていた素直な想いが伝えられ
それぞれに不安を抱えていたことを知りました。
同じ気持ちで「丸森しるく」に向き合う仲間がいることを知った時の
皆さんの安堵の表情が今も思い出されます。

プロジェクトがスタートしてからは、
大学の先生方や学生さんたちとともに、お互いのアトリエに足を運ぶ機会もあり、
仲間の活動を実際に見て、それぞれのアトリエの現状を知ることができ、
自分達が不要となるものを
必要とする仲間に循環させるモノづくりなども始まりました。

今も養蚕農家さんが出荷できない繭を甦らせたり、
お蚕さまが繭をつくる際、足場になる「繭毛羽(まゆけば)」の生かし方など、
無駄のないモノづくりも試みています。


先生や学生さん達が、何度も足を運び、
陽だまり工房さんのアトリエを調査・改装。
壁一面に和紙を貼って、みんなで集える素敵な空間も創っていただき、
作り手の皆さんの成果発表の場でもある展示販売会も始まりました。


「丸森しるく」の存在を知ってもらい、販売することだけが目的でなく、
「養蚕」をベースに、シルクを生かした暮らしを追求しつつ、
次世代に向けた生業として経済面も模索していく場であり、
多くの皆さんに作品を見てもらうことが作り手の刺激になり、
クオリティーや技術の向上など、より良いものづくりにつながるとともに、
作品の価値や価格設定、会場の装飾についても、
みんなで考え進化させていく学び合いの場でもありました。


学生さんにデザイン協力いただき生まれた「まなみやげ」という言葉も
丸森しるくの仲間たちやその素材などをご紹介する
パンフレットの中に納められました。


「この地に技あり!プロジェクト」は
3年間の研究開発プロジェクトとしての役は終えられましたが、
プロジェクトの意志を継いだ
「生業景デザイン研究所」https://ru-cas.jp/
として、地域に根差した未来へ育む実践的研究を続けていらっしゃいます。

自分と「丸森しるく」を引き合わせてくださった巡り合わせに心から感謝し、
​東北各地の地技に寄り添う皆さんの活動を
これからも応援し続けたいと思います。